楽器単独の技量については、エチュードをどこまで終えたかで判断できますが、音楽の演奏については位置づけが簡単ではありません。
最終の目標はスコアをみて頭の中に音楽が鳴り響き、自分の音楽を構成できるというレベルが理想の姿です。この目標に対して下記を設定します。
楽器を演奏することは、自分のイメージを表現することです。演奏で必要なイメージはこの三点です。
このイメージ(情報)を楽譜から直接読み取れなくては演奏は出来ません。演奏は楽譜を読むことに始まり、楽譜を読むことに終わります。
単音に関するトレーニングでは、自分の演奏する楽器の音部記号については初級で終了しますが、ハ音記号(アルト記号、テノール記号)についてはかなり頻繁に使用されますので、中級でトレーニングの課題にします。ヴィオラ譜はアルト記号、ヴィオラ・ダ・ガンバはアルト記号とヘ音記号、チェロ、コントラバス、ファゴット、トロンボーンなどではヘ音記号以外にテノール記号が使用されます。
移調読みも、管楽器奏者およびスコアリーディング上、重要な課題になりますので課題とします。
また、メロディを自分で組み立てる必要があり、いわゆる聴音の課題的なメロディ練習と、実際の作品からメロディを読み取る訓練の二つを導入します。
リズムについては徹底的に練習しておく必要がありますので、一段と複雑なものを中級とし、実例として現れる複雑なリズムを上級としております。
和声法、対位法についても概要を知ることは音の方向性を知る上で重要ですので、学習室にある 和声法、対位法について概要を学んでください。
上記に並行して、スコアリーディングに挑戦していただきたいと思います。トレーニングは基本的に四声部で行いますが、1声部単位で、選択した声部が聞ける練習問題を豊富に用意いたします。
演奏に必要となる音楽理論としては和声法、対位法、楽式論、音楽史などがあります。
音楽の方向性という言葉がよく使われますが、これはただ楽譜にかかれたように弾くのではなく、どこに向かって音楽が流れているかということです。
メロディ自体が方向性をもちますが、メロディに対してどのような和声付けを選んだかで作曲家の意図する方向性は明確になります。
音楽には属和音ー主和音に進行する力が常に存在しておりこれは重力法則のようなものです。この重力法則の表現として種々の終止形とその拡大形などがあります。音楽の方向性を把握する上で、演奏家としても和声法の概要を知っておくことは非常に重要です。和声法は本来和声がかけるようになり事を目的にしていますが、手間がかかりますので概要をまづ把握してください。
上記は音楽の短いフレーズに対しての方向性に関する話ですが、フレーズ間の関係、フレーズの持つ方向性という問題になると楽式論の知識、つまり音楽形式の問題が重要になってきます。ある程度感覚的に判断できますが、楽曲が大きくなると作曲家がどのような構成を意図したかを正しく把握するためには必要です。実際に楽曲分析を行いますと作曲家の設計図が浮かび上がってきます。
音楽史については音楽の様式(スタイル)を理解する上で必須の項目です。伝統に立脚した音楽であるクラシックでは正しい様式の理解が必要です。
中上級のかたは、人前で演奏したり、合奏を指導する機会が多いと思います。ただ弾けているだけではさびしいものです。
弦楽器の運指については基本のポジション以外でのトレーニングを行います。
ビデオについては、内容を調整中です。
演奏のためのバックグラウンドになる知識に関するコンテンツを徐々に充実してゆきます。
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