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ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロそれぞれに個性がありますが音楽を楽しむのには最高の楽器です。基本的に同じ構造をしておりますがそれぞれに個性的です。またどの楽器も高い独奏能力と合奏能力を持っています。
弦楽による合奏というのはハ長調の和音が1音響いただけで感激するから不思議です。すこし工夫すれば純正調の響きが味わえますし、メロディを演奏する以外に音楽には大きな楽しみがあることに気がつきます。
独奏楽器としての弦楽器はどれも難易度が高く、子供時代から練習を重ねるのが理想的です。ピアノに比べれば発音が非常に難しいため1-2年ではきれいな音はなかなか出てきません。ところが合奏をするということになると話はまったく変わってきます。弦楽器は技量に応じて楽しめるというほかの楽器にはまったくない性質を持っています。ここではこちらに焦点を絞りたいと思います。
弦楽器は基本的にはヴァイオリン2台、ヴィオラ、チェロ、(コントラバス)が集まって合奏することにより始めてピアノに比較しうる完全な楽器になります。成人から始める場合にはある程度練習したら必ず合奏に参加するする機会を持ってください。独奏楽器としてだけ付き合うと息が切れます。
子供の場合には合奏が面白すぎて、個人のレッスンを怠ってしまうこともありますのですこし注意が必要です。
入門用の楽器は10万円以下でありますし、先生も多くもっともスタートしやすい楽器だといえます。しかし演奏が難しくまともな音さえなかなかでない楽器です。しかも演奏技巧は最高度に発達しておりますので独奏を人に聞かせるのは並大抵のことではありません。
レパートリーはすべての時代のあらゆるジャンルに及んでおり申し分ありません。すばらしい魅力にあふれる楽器ですが、30歳を越してから始めて成功した人を私は知りません。右手のデリケートさや、左手の細かな動きを考えるとソリストとして通用するような状況まではいたらないと思います。
だからといってあきらめる必要がないのがヴァイオリンの不思議なところです。
(1)は主にセカンドヴァイオリンパートをさします。このパートについては曲によっては高い技術が必要でなく2年くらい練習すれば楽しむことができます。セカンドヴァイオリンは性格的にはファーストヴァイオリンよりもヴィオラに近いといえます。
(2)はオーケストラや弦楽合奏ですが、多人数で演奏する場合には多少音が狂っていても、弾き方が荒くても吸収されて全体の音色になってしまいます。大学オケなどで初心者でも何とかなってしまうのはこの理由です。
(3)は曲を選ぶということです。初期のバロックの作品などを選べば割合に簡単に演奏を楽しむことができます。
大人からヴァイオリンを始める場合にはできるだけ早く合奏に混じることが大事です。
ヴァイオリンを一人で弾いて楽しめるのはかなり技量が高くなってからです。
ヴァイオリンと同じで10万円以下の楽器もあります。ただしなりにくい楽器もありますのでヴァイオリンよりも慎重になってください。
ヴァイオリンと同様に独奏となると非常に高度な技巧が要求されますが、音楽を楽しむには最高の楽器です。特性はヴァイオリンの項で書いた(1)、(2)、(3)がそのまま当てはまります。
私事ですが、ヴィオラパートは機会があればよく弾かせてもらいます。ファーストヴァイオリン・パートはすべてが完全に弾けていないとご迷惑がかかるのでさらう範囲がとても広いのですが、ヴィオラの場合にはここぞというところを見極めてさらえるのでほっとします。内声は弾いてて大変楽しいのですが、楽しんでいる最中に突然出番が回ってきます。ヴィオラパートはかなり楽しいものです。
ヴァイオリンを弾ける方ならばヴィオラは弾けます。アルト記号を使って記譜するので読譜を訓練をすればよいのです。トレーニングジムでファーストポジションをさらえば、けっこうな合奏に参加できますよ。
バロック時代の音楽家は何でも演奏しました。どうぞスイッチヒッターをトライしてください。別の視点で音楽が楽しめます。大人からヴィオラを始める方は、ファーストポジションを徹底的にさらってください。
そしてスタカートやレガートが弾ければ易しい合奏に混じることができます。
できるだけ早く合奏を始めてください。
ヴァイオリンの倍くらいの価格ですので少し初期コストがかかります。また先生もかなり減ります。
子供から始める場合にはヴァイオリンと同じ様な教程をたどり大変な道のりを歩みます。それは独奏者としての教程ですから仕方ありません。しかし大人になって始めるなら絶対にチェロがお勧めです。
他の楽器から転向する場合に一番多いのがチェロです。私の知っているだけでも、フルート>チェロ、クラリネット>チェロ、ヴァイオリン>チェロ、ピアノ>チェロ、ギター>チェロという具合です。大変にうまくなり前の楽器をまったく演奏しなくなった方の方が多いかもしれません。チェロの魅力というのはすごいものです。ヴァイオリニストとヴィオリストにはチェロはお勧めしません。ヴァイオリン・ヴィオラとチェロは両立しません。弓の使いかたが逆になりますのでチェロに移りたければヴァイオリンをあきらめなければなりません。ヴァイオリン・ヴィオラを投げ出す理由はまったくないのです。
この楽器は見かけよりも価格は安く20万円程度で楽器は入手できます。レパートリーはバロックから現代まで一貫しております。独奏を考えるとひどく難しい楽器ですが合奏を主体に考えると割合に易しい部類に入ると思います。
もっとも、初めから独奏者を目指してこの楽器を始める方はいないと思います。合奏を一緒にする立場でいわせてもらえればコントラバスはいるだけでありがたい楽器です。古典派までは大体チェロパートと同じ譜面を演奏しますが、細かい音符を省略しても皆さんには喜んでもらえます。極端な話、ド、ソ、ファの音をしっかり出してもらえれば皆さんは幸せです。ただし出す場所を間違えると合奏全体を破滅に導きます。
つまり、細かい動きよりも音楽全体の方向性を把握することのほうがずっと重要になる楽器です。
持ち運びなどが大変ですが報われる楽器です。私もごく稀ですがコントラバスを弾くことがあります。まったくの付け焼刃ですので、3rd ポジションくらいまでしか弾けません。4度調弦であるコントラバスはヴァイオリンやチェロで養った勘が働きません。仕方がないので指番号を丁寧に調べて楽譜に書き込みます。ややこしいところはもちろんダメなので適当に弾いているふりです。それでもお役に立つから不思議なものです。弾いている本人はとても楽しいです。(これが管楽器だったらたたき出されます。)
昔はコントラバス弾きは気の毒だなあと思っておりましたがどうしてどうして、とても楽しい世界なのです。
こんないい加減な話をしたら真剣なコントラバス奏者に怒られそうですが、大人から始めるコントラバスというのはものになりそうな気がします。