転調とは合理的な和音の結合で構成された経過句によって一つの調から他の調に転ずることをいいます。
この経過句の構成には三つの方法があります。
ある調の専属和音を他の調の専属和音であると考えることによって行われる転調を全音階的転調といいます。
ある調の和音中の音を半音階的に変化させて、他の調の専属和音または、その調に属する変化和音に導くことによって行われる転調を半音階的転調といいます。
ある調子の専属和音または変化和音を、他の調の専属和音または変化和音に異名同音的(エンハルモニッシュ)転換することによって行われる転調を異名同音的転調といいます。
すべての転調は和音の転義によって行われ、しかも転義した後に転調した調の終止形をつけてはじめて確定的になります。この点が一時的な転調と異なる点です。
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